オランダ式「ピラミッドメソッド」5つのメリット・デメリット全解説!

オランダの幼児教育は、質が高く、子どもの幸福度合いが高いと聞き是非我が子にも取り入れてみたいと感じている方がいることでしょう。

オランダ式の幼児教育とは、ピラミッドメソッドと呼ばれ、幼児に教えるのではなく、自ら考える力を養い・導き出すのが基本理念。

今回は、そんなオランダ式のピラミッドメソッドについて詳しくご紹介していきます。

目次

ピラミッドメソッドとは

ピラミッドメソッドとは、1994年にオランダ政府教育評価機構が開発した幼児教育方法で、自分で選択し、決断する力を養う教育方法です。

まずは、親や幼児教育者が、子どもに安心感を与えることで、子供は自ら考える力を発揮できるようになります。オランダは、2007年にユニセフで実施した子どもの幸福度調査で第一位に輝いた国。

子どもが幸福でこそ、決断力を養うことに成功できるのです。ピラミッドメソッドとは、保護者と子どもが幸せに感じながら実践していく教育方法といえるでしょう。

ピラミッドメソッドの特徴

ピラミッドメソッドには、以下の4つの基本理念があります。

①子どもの自主性
②保護者の自主性
③寄り添うこと
④距離をおくこと

子どもの自主性とは、子どものやる気を引き出すという意味です。そのためには保護者は、子どもの承認欲求を充分に満たさなければいけません。

できるだけ子どものやる気を阻害しないように、やりたいことには積極的に取り組ませ、結果はどうあれ、褒めていくのです。

保護者の自主性とは、子どもが安心して教育を受けられるような環境を積極的に構築していくことです。その中には、子どもの情緒の安定を図るという意味もあります。

保護者は常に子どもに寄り添い、子どもの自主性を導き出せるように働きかけます。

ピラミッドメソッドでは親と子どもの良好な関係が重要です。そして、距離を置くこととは、目の前にある課題探求から徐々に外の世界や、抽象的な世界へと導き出すことをいいます。

これをピラミッドメソッドでは、「ディスタンシング理論」と呼んでいます。

目の前の遊びだけではなく、そこから連想できることへと導き出し、子どもが自ら決断し、学んでいけるように保護者は寄り添わなければいけません。

ピラミッドメソッドの具体的な教育方法

ピラミッドメソッドでは、遊びの種類をいくつか用意して自ら遊びを選択させます。ピラミッドメソッドでは以下の8つの発達領域にアプローチできるように教育していく特徴もあります。

個性・情緒・運動・芸術・知覚・言葉・思考・空間と時間の理解

8つの発達領域にアプローチできるように11のテーマを決めてプロジェクトを進めていきます。

11のテーマとは月毎に変わるもので、以下のテーマのことです。

テーマ内容アプローチ領域
空間子供の身体を使って思考を広げる空間・個性・運動
さまざまな探索と発券、多様性探索・知覚・運動
色と形色と形を分類することをごっこ遊びを通じて広げる思考・芸術
身近で安心感のある家を丁寧に探索言語・思考
季節の変化で時間経過を体験時間・知覚
数える誕生日パーティーで数えることを学ぶ思考・言葉
衣服衣服を通して想像力を膨らませる言葉・個性
クリスマス相互のつながり、協力関係を身につける情緒・思考
大きさ順序立て・系統立て・物事を整理して考える思考・芸術
交通命を守る言葉・思考
植物に目を向け変化の発見時間・知覚

ピラミッドメソッドの5つのメリットと効果

ピラミッドメソッドには、5つのメリットがあります。

①学ぶことを楽しめる
②遊びを自ら広げることができる
③集中力を養える
④落ち着きが身に付く
⑤言葉や表現が具体的になる

ピラミッドメソッドでは、自分の好きな遊びを取り入れることで、遊びを通して学ぶことを存分に楽しめるメリットがあります。

また、プロジェクトを通して、遊びから想像力を膨らませ、遊びを自ら広げることが可能です。好きな遊びを選べることから、集中力が増し、落ち着きのある子どもへと成長できます。

ピラミッドメソッドのプロジェクトの成果で言葉や表現が具体的な子どもになるともいわれているのです。

これらのメリットを引き出すためには、親との良好な関係が必須になりますから、親子に愛情が沸き、情緒の安定した子どもに成長する効果があるでしょう。

ピラミッドメソッドの注意点

ピラミッドメソッドを取り入れる場合には以下の注意点・デメリットがありますので、チェックしておきましょう。

①子どもが進学先で浮いてしまう可能性も
②子どもの発達レベルを忘れずに
③受験には不向き

ピラミッドメソッドは日本ではまだ実践例が少ない幼児教育方法です。そのため、小学校に入学した際に周囲から浮いてしまう可能性があることは否めません。

ピラミッドメソッドで成長した子供は、自主性が育まれ、何でも自らの興味関心から行動をしがちです。

日本では、協調性が重んじられていますから、周囲から浮いてしまう可能性があるでしょう。保護者は、小学校入学前には、協調性も学べるように導いていった方がいいかもしれません。

また、子どもの発達段階は個人によって変わります。保護者は子どもの発達レベルに応じてプロジェクトを進めていかなければいけないことも注意点です。

ピラミッドメソッドは、勉強を詰め込むような幼児教育方法とは異なります。そのため、受験のために幼児教育を取り入れたい方には不向きの幼児教育方法です。

ピラミッドメソッドの対象年齢と年齢別の教育方法

ピラミッドメソッドの対象年齢は3歳から6歳です。ちょうど日本では幼稚園で学ぶ年齢が対象年齢と考えれば良いでしょう。

年齢別の教育方法は、前述したプロジェクトをどの年齢でも取り入れていくことです。そこからの広がりは、年齢によって変わってきます。

自ら決断できる子どもに成長できるように、広がりを見守ることが大切です。

ピラミッドメソッドで家庭に求められるもの・できること

ピラミッドメソッドはプロジェクトを遂行していくため、家庭での実践よりも幼児教室などで実践した方が効果があります。

とはいえ、少しでもピラミッドメソッドを家庭で取り入れたいと考えるなら、遊びの種類別にパーティションなどを設けて一つの種類で遊ぶことを実践していきましょう。

どの場所で遊ぶかは子どもの自主性に任せることが肝心です。一つの遊びから、集中力が増していきますので、そこから広がる遊び(教育)を見守っていきましょう。

保護者は常に愛情で子どもに接し、子どもを認めて自信を高めていくことを心がけてください。

ピラミッドメソッドにかかる費用

ピラミッドメソッドは家庭で取り入れていくことは困難な教育方法ですが、プロジェクトを真似て取り入れていくだけならおもちゃ代などの実費がかかるだけです。

もしも本格的にピラミッドメソッドについて家庭に取り入れていきたい場合は、以下のような教育講座が開催されていますので、参加してみてもいいでしょう。

【施設名】子どもと育ち総合研究所
【受講料】28,000円

※2022年3月時点
※価格は税込み

子どもと育ち総合研究所では、講座の他に書籍やDVDなども販売していますので、まずはそちらを参考に開始するのも良いかもしれませんね。

ピラミッドメソッドを実践している施設紹介

現在ピラミッドメソッドを取り入れている施設には以下のような施設があります。

施設名住所
ピラミッドメソッド千葉保育園千葉県千葉市中央区新田町7-16 フォントビル1・2F
トゥインクルキッズ保育園神奈川県川崎市中原区木月1丁目3−1
星の光幼稚園大阪府松原市一津屋6丁目12-5
社会福祉法人南友会かんらんこども園⼤阪府吹⽥市南⾦⽥2-18-7
子ロバ保育園大阪市都島区高倉町2丁目8番5号
社会福祉法人立正会りっしょう子ども園山形県鶴岡市西新斎町2-31
社会福祉法人立正会三川りっしょう子ども園山形県東田川郡三川町大字横山字西田66-1

最後に

ピラミッドメソッドは、オランダ発の幼児教育方法で、自主性を育み、決断できる子どもに養育する手法です。

ただし、ピラミッドメソッドはまだ日本では事例が少なく、なかなか施設が見つからないかもしれません。

子どもとの愛情を育てながら、おおらかに育てたい方には適した幼児教育ですので、気になった方は、本記事を参考にしてくださいね。

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