シュタイナー教育は、体・心・頭のバランスが取れた状態を良い状態として教育を行います。
また、自然の素朴さや暖かさといった部分を重視した教育を行います。そのため、教育施設ではプラスチックなどの化学製品を避け自然のものを取り入れた環境が整えられています。
子供一人一人の個性を伸ばすことを重視し、自分の意思で行動できる人材に育つことを目標としています。
(発案者であるルドルフ・シュタイナーがドイツで設立した自由ヴァルドルフ学校にちなんで「ヴァルドルフ教育」と呼ばれることもあります。)
特徴
【フォルメンとオイリュトミー】
シュタイナー教育には柱となる2つの考え方があります。一つがフォルメン、もう一つがオイリュトミーと呼ばれるものです。
フォルメン … 文字を習う前に、非科学模様や線形を描くことで芸術性や集中力を高めます。
オイリュトミー … 音楽に合わせて体を動かすダンスのようなものです。
オイリュトミーを通じて健康な体・感性の発達を促し、その後フォルメンを通じて集中力やひいては諸裏的な論理的思考、美術的感性を学んでいきます。
また、シュタイナー教育では絵本の読み聞かせを行いません。ストーリーのみを読み上げ子供にそのイメージをさせることで想像力が養われると考えられています。
そのためストーリーのみを読むときでも、話者は抑揚や感情を排除して淡々と話します。
【エポック教育】
シュタイナー教育では、エポック授業と呼ばれる100〜110分の授業を毎日1時間目に行います。
これは一気に学ぶことで効率よく消化・吸収できると考えられているためです。
ただし、中には長時間連続して集中力を保てない子もいますので、その時には合間に歌や踊りなどのオイリュトミーを取り入れています。
また、基本的に教科書を使用せず生徒一人ひとりが「エポックノート」と呼ばれるノートに自分の学習内容を記載していきます。(学年が上がると補助教材として教科書を使う場合もあります。)
対象年齢
シュタイナー教育では、人間が7年周期で節目を迎えると考えられており発達段階を3つに分けて考えます。
(モンテッソーリ教育とは違い、基本的に早期教育を行いません。)
①0〜7歳 【体を育てる時期】
②7〜14歳 【感情を育てる時期】
③14〜21歳 【思考を育てる時期】
【体を育てる時期(オイリュトミーの時期)】では、体を動かす遊びや運動を多く取り入れています。子供一人一人に様々な種類の経験をさせて、多種多様な物事を経験させます。
【感情を育てる時期(フォルメンの時期)】では、主に芸術に多く触れる時間を作ります。絵画や音楽など、色々な芸術に触れることで単一の文化からでは養えない表現力や想像力を育みます。
【思考を育てる時期】では、物事を論理的に考え、倫理的に自らの意思で判断し行動する力を養います。異なる文化に触れることで思考力を養い自立性を養います。
家庭に求められるモノ
シュタイナー教育はその教育方針に乗っ取り、家庭に求めるものがあります。
例えば、子供用品を手作りにする、オーガニック中心の食生活にする、テレビやインターネットなどのメディアに触れさせない、などです。
テレビやインターネットなどに幼少期から触れさせてしまうと、刺激がどこかに偏りバランスの取れた人材にならないという考え方から触れさせないようにしています。
受講方法
現在、日本でシュタイナー教育を実践している学校や施設(幼児教育を含む)は60以上あるようです。
全日制の学校だと全国に7校あります。
本来のシュタイナー教育の考え方に基づけば、7年周期でそれぞれの時期に合わせた教育を行うため幼児教育施設より全日制の方がシュタイナー教育の観点から考えると良いかもしれません。
都道府県 | 施設名 |
---|---|
北海道 | 北海道シュタイナー学園いずみの学校 |
東京都 | 東京賢治シュタイナー学校 |
神奈川県 | シュタイナー学園 横浜シュタイナー学園 |
愛知県 | 愛知シュタイナー学園 |
京都府 | 京田辺シュタイナー学校 |
福岡県 | 福岡シュタイナー学園 |
費用
それぞれの学校や施設によって細かい金額は異なりますが、おおよそ月額4〜6万円程度のようです。
この他に入学時の入学金関連で20〜40万円前後、施設維持費や教材費等で月額数千円がかかるようです。
最後に
シュタイナー教育では自然を重んじ、7周期ごとに育みたい要素を定めています。
また、テレビなどのメディアに触れる機会を減らして子どもの発育バランスを整えることを重視しています。
全日制の施設になるとあまり数が多くないため選択肢としては多くありませんが、ご家庭の教育方針に沿うものであれば一度検討してみるのも良いかと思います。