サドベリー教育は幼児教育にも適しているのか?7つの疑問を解決

教師も教科書も時間割もないサドベリー教育ですが、実は幼児教育にも有効だということをご存知ですか?

本記事では、幼児教育に取り入れたいサドベリー教育について詳細を解説していきます。

これから子どもに幼児教育を取り入れていきたいと考える方は、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

サドベリー教育とは

サドベリー教育とは、1968年にアメリカに設立されたサドベリー・バレー・スクールがモデル校になった教育方法です。

サドベリー教育では子どもの自主性を大事にし、学校には、時間割やテストなどがなく、教科書も教師もない、子どもの自治を大切にした考え方をします。

そのため、自らが興味を持った分野を自分の力で身につけていくという勉強方法です。

サドベリースクールには時間割がないため、ずっと自由時間を過ごしますが、放課後には子どもだけのスクールミーティングが開催されます。

物品の購入や予算、イベントなどについて相談し、議決する仕組みです。

子供だけの司法委員会も存在し、いじめ問題の解決、そのほか、ルール違反などの問題点を解決していきます。

サドベリースクールでは生徒はみんな平等に扱われるため、たとえ4歳でも、18歳でも上下関係は存在しません。

自由な反面、自己責任が問われる教育方法です。

サドベリー教育の特徴

サドベリー教育の大きな特徴は教科書がなく、教師が存在せず、時間割もテストもないことです。

要するに何をするにも自由という考え方。

一日中音楽を聞いていてもいいですし、ゲームに興じても問題ありません。

大袈裟にいうと、サドベリー教育を受けている間に勉強に興味を持つことがなければ、計算もできなければ、文字を読み書きすることもできない可能性があります。

実際には、美術に興味を持てば、そのために調べる必要があり、文字の読み書きは自然に身に付くはずです。

ただし、計算や難しい数学などは興味関心がなければ、卒業するまで身につきません。

そのためサドベリー教育は偏差値の高い学校に進学したいと考えている方には不向きの教育方法です。

何らかの事情があり、不登校になった子どもを救うためには有意義な学びの場になるでしょう。

また、幼児期に取り入れていくことで多くのメリットがあると考えられています。

サドベリー教育の4つのメリットと効果

サドベリー教育を幼児教育に取り入れることで、以下のような4つのメリットがあります。

・自分の意思を持つことができる
・能力のある分野を引き出せる
・コミュニケーション能力を養える・責任感が強くなる

教師がいないため、誰も何も教えてくれないため、自分の意思を持つことができ、興味ある分野を探求できるというメリットがあります。

また、子ども同士のミーティングを通してコミュニケーション能力を養うことにも成功できるでしょう。

幼くても自分の意見があればみんなの前でプレゼンする機会も設けられるため、プレゼン能力を養うこともできます。

幼い意見でも議決されれば、学校のルールに追加されますので、責任感が強くなることもメリットです。

サドベリー教育を幼児教育に取り入れることで、年上に対しても物怖じしない子どもになる効果があります。

サドベリー教育の注意点

サドベリー教育の注意点は以下の4点です。

①公式な卒業資格は得られない
②年功序列に馴染めない
③勉強ができなくなる恐れも
④嫌なことはやらない大人に成長する

サドベリー教育を採用している学校は、基本的に文科省の認定校ではないため卒業資格を得られないことが大きな注意点です。

もしも大学進学を検討するなら、高校卒業の資格を別に取得する必要があります。

サドベリースクールに通い続けると義務教育の卒業資格を得られません。

そのため、幼児教育に取り入れたい方は、幼稚園時期にサドベリー教育を取り入れていくことがおすすめです。

また、年功序列がないため、年上を敬うことができない子どもに成長する恐れもあります。

そして、一番の注意点は、サドベリー教育では勉強ができる子どもになれるわけではないということ。

もちろん興味を持って自ら学び勉強ができるようになる子もいるでしょう。

しかし、教師がいないことは大きな弊害となり、独学だけで勉強するには限界があります。

サドベリー教育では、自分の好きなことだけをする特徴があるため、やりたくないことはやらない、我慢はしないという大人になってしまう恐れもあります。

ただし、サドベリー教育を幼児期だけに取り入れた場合は、あまり心配はないでしょう。

サドベリー教育の対象年齢と年齢別の教育方法

サドベリー教育は、主に3、4歳から20歳前後までが対象です。

日本に代表的なサドベリースクールは19校ほどありますが、そのほとんどが幼児期から入学できるサドベリースクール。

サドベリースクールには決まった教育方法がありません。

代表的な日本のサドベリースクールの対象年齢は以下の通りです。

<サドベリースクールの対象年齢>

サドベリースクール対象年齢所在地
東京サドベリースクール5歳〜18歳東京都
TAMAサドベリースクールさくらんぼ学園4歳〜19歳東京都
湘南サドベリースクール4歳〜18歳神奈川県
札幌サドベリースクールスクール5歳〜18歳北海道
デモクラティックスクールさいたまあみゅーず4歳〜18歳埼玉県
オルタナティブスクールあおぞら学校3歳〜18歳静岡県
デモクラティックスクールびだ6歳〜18歳静岡県
三河サドベリースクール4歳〜18歳(相談によって変動)愛知県
デモクラティックスクールまんじぇ5歳〜18歳愛知県
デモクラティックスクールまっくろくろすけ4歳〜19歳兵庫県
西宮サドベリースクール4歳〜17歳兵庫県
インターナショナルデモクラティックスクールまめの木4歳〜兵庫県
新田サドベリースクール6歳〜22歳鳥取県
宮崎デモクラティックスクールにじのりずむ5歳〜19歳宮崎県
フリースクールぼうけんのがり山不明佐賀県
F.I.D.S.福岡インターナショナル・デモクラティック・スクール4歳〜18歳福岡県
熊本サドベリースクールスクール6歳〜19歳熊本県
沖縄サドベリースクール5歳〜18歳沖縄県
デモクラティックスクールみぃち4歳〜18歳沖縄県

※2022年4月時点

サドベリー教育で家庭に求められるもの・できること

サドベリー教育を家庭に取り入れたい場合は、子どもの自由と権利を尊重することが大切です。

たとえ幼児だとしても権利があると考えて、子どもの主張を大切にしましょう。

子ども扱いせずに意見を尊重し、検討していく姿勢が大切になるでしょう。

また、子どもからの相談は真摯に受け止める姿勢も大切です。

やりたいことが見つからない、何をして過ごせばいいのかわからない、などの相談でも「自由にしなさい」などと突き放さずに一緒に興味のある分野を模索していきましょう。

上から目線で接することのないように子どもの人権を尊重することが大切です。

サドベリー教育にかかる費用

サドベリー教育を家庭に取り入れる場合は特に費用はかかりません。

しかし、興味を持った分野の道具を買い揃える費用はかかりますのでご注意ください。

例えば、ピアノに興味を持てばいずれピアノを購入する必要があるかもしれません。

サドベリー教育を取り入れる場合はどのサドベリースクールでも推奨している以下の書籍に目を通すようにしてください。

サドベリー教育の理念が理解でき、子どもへの接し方に誤解が生じにくくなります。

引用:Amazon価格:1,999円(税込)

また、サドベリー教育を幼児に受けさせるためにサドベリースクールに通うこともできます。

小学校から公立の学校に進学することもできますので、4,5歳のうちだけサドベリー教育を取り入れることも可能。

サドベリースクールの入学金や月謝はまちまちですが、ここでは東京サドベリースクールを例に料金をお伝えします。

サドベリースクールは基本的に私立学校ですので、公立の施設ほど安価ではありません。

<東京サドベリースクールにかかる費用>

入学金550,000円(兄弟・姉妹2人目以降:275,000円
月謝70,350円(兄弟・姉妹2人目以降:52,500円)

※価格は税込

※2022年4月時点

最後に

サドベリー教育は、子どもの自由を尊重した教育方法です。

何も決まりがないようにも感じられますが、子ども社会のルールが存在しています。

受験向きの教育方法ではありませんが、長所を生かした成長を促せる教育方針ですので、幼児教育には向いているでしょう。

日本にはサドベリー教育を受けられる学校はたくさんありますので、気になった方は本記事を参考にサドベリー教育を取り入れていきましょう。

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